公共施設再生計画に関する経緯(2)

乱暴に実行されてきている公共施設再生計画。その経緯を振り返る記事の第2弾は、2009年(平成21年)3月に作成された「公共施設マネジメント白書」について紹介します。

前回の記事(記事へのリンクはこちらをクリック→こちら)で、市政が施行された1954年から2009年までの大まかな流れを振り返りました。その後、場当たり的な対応を反省なく続けてきた結果、市は公共施設の老朽化という課題に直面し、具体的な、しかし、誤った方向性の動きを始めます。

その動きをまとめたものが「公共施設マネジメント白書」です(白書へのリンクはこちらをクリック→こちら)。

この白書は、副題に「施設の現状と運営状況の分析」と銘打って、習志野市が有する公共施設の現状と課題を棚卸しています。そして、この白書においても、それまでの対応と同様、財政再建という「手段」を盲目的に「目的化」し、老朽化する公共施設をそのまま更新はできない、という短絡的な結論を導き出しているのです。

この白書の問題点をまとめると以下3点となります。

1.市の地域区分(コミュニティ)はまちづくりの最小単位であり、「学校は‘社会改革の拠点’であり、教育計画は‘社会教育の基礎’である」というコミュニティスクールの考え方を基に、1小学校区を1コミュニティと設定しており、市内に14コミュニティ(注:秋津も1つのコミュニティ)がある、と説明しているにもかかわらず(白書の9頁)、その考えを白書の中身にまったく活用していないこと。

2.市の予算に関し、公共施設の長寿命化や改修に充てられるべき「物件費・維持補修費」について、扶助費(社会保障向けの予算)の増加に伴い、「物件費・維持補修費が圧縮されています」(白書の11頁)、と他人事のように反省もなく説明していること。あたかも、「限られた予算の中で、扶助費が増えたから物件費・維持補修費が減るのは仕方ない」とでも言いたいようですが、他の予算の調整、圧縮するのであればその工夫や影響についてどう分析したのか、という説明が一切ありません。財政再建を大事にするのであれば、財政において少しは知恵を絞った工夫は考えられないのでしょうか。

3.「小学校と幼稚園の隣接・複合化は本市の学校施設配置の特色の一つである。幼稚園の定員割れ等との問題も含めて今後どのようにしていくか検討する必要がある」(白書の33頁)とありますが、その「特色」をどう捉えて「維持」していくのか、という具体的な検討も考えも示されていないこと。秋津幼稚園の廃園の経緯を踏まえれば、「特色」の維持に配慮も工夫もまったくせず、単に「定員割れ」だからという理由のみで強引に対応したことの根っこが既に2009年時点で示されている、と言えます。

市はこの白書を事あるごとに公共施設再生計画の推進の根拠としています。しかし、その根拠自体が問題であり、有効ではないことがよくわかります。

さらに、公共施設再生に関し、その再生の目的である、どうやって人口を維持していくか、高齢化の中でどのように地域の活気を保つのか、といった街づくりの理念、方向性、考えがまったく見えません。財政に制限があるから公共施設はすべて維持できない、じゃあ施設の棚卸をしてどう縮小するか考えよう、という極めて稚拙かつ短絡的な対応です。

次回は、この白書を踏まえて作成された、2011年3月の「習志野市公共施設再生計画策定に対する提言書」、2012年5月の「習志野市公共施設再生計画基本方針」を振り返ります。既に指摘してきた問題点の継続に加えて、この短絡的な計画を生み出した背景も見えてきます。

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